2020年6月の記事一覧

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土居弘元先生による交渉学Web講座

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「関心」について

人は「関心(interests)」を持つ物に対して目を向ける。何も関心がない物に対しては知らぬ顔をして通り過ぎる。関心が強くなると「欲しい」「手に入れたい」「自分の物にしたい」という気持ちが高じてくる。お金を出せば手に入れることができる物なら何とかして手に入れたい、という気持ちになってくる。高級品店が繁盛するのはこのような人が多いことの証である。

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行動科学

経済学の領域で「行動経済学」が広く認識され始めている。きっかけとなったのは2002年にノーベル経済学賞をカーネマン教授が受賞したことによる。2000年頃はカーネマンの名前を知っている日本の経済学者は少数派ではなかっただろうか。その研究は、認知心理学の応用として合理的な選択を人はするものだろうか、について考えるものであった。いわゆる実験によって実証するという心理学の方法を適用するものである。同じ認知心理学の研究者であるトヴェルスキーと共同研究をし、論文も共著として相当数発表しておられた。

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天動説と地動説

天動説とは「地球は宇宙の中心にあって静止している。そして太陽、月、星が地球の周りを回っている」という考え方であり、17世紀頃までは支配的な宇宙観であった。それに対して「地球や他の惑星が太陽の周りを回っている」という考え方が18世紀以降になって有力になってくる。これが地動説である。ガリレオは地動説の考えを放棄するよう迫られそれを認めたが、「それでも地球は動いている」とその後でつぶやいた、といわれている。

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交渉学のアナトミー

「アナトミー」、日本語で解剖学と言う。医学部の学生が最初に学ぶ必修科目であることは前回述べた。解剖学では人間の骨格、筋肉、神経系統、内臓、等がどのように構成されており、どのように関連して動くのかが示される。人の体格が大きいとか年齢が若いとか高齢であるとかには関係がない。また国籍にも人種にも関係なく「人間」を形作っている姿を示すものである。また、それを基にして眼科、循環器科、脳神経外科といった特定の領域の研究がされるのではないし、環境の変化と人間構造の関連が考えられることもない。解剖学を学ぶことで人間が持っている構造を捉えることができ、医学が対象とする枠組みを考えることができる。そのために学ぶのである。その観点から見て、医学に関連する人々が取り扱う対象領域はどのようなものかを限定して示すものであり、医学関連の人達にとって必須の科目になると言えるのであろう。

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アナトミー

アナトミー(anatomy)。日本語で「解剖、または解剖学」のことである。普通は医学や生物系に関連している用語である。解剖学は医学部の学生にとって最初に習得しなければならない必修の基礎科目である。だから医学部では誰もが一生懸命に学び、この科目を十分に習得する。そしてそれを基に専門とする科目へ進んでいく。そういう風に考えて不思議はないが、それには「?」がつく。実際にはそうでもないようであるが実体は「?」である。杉田玄白や前野良沢がオランダ語の著書「ターヘル・アナトミア」を「解体新書」と訳して著した頃の医師は解剖学に目を見張り、蘭方医となることに夢を膨らませた人が相当にいたことであろう。その頃なら人間の骨格構造や人体図は珍しいものであり、解剖学への期待を抱かせるものが大きかったことと思うからである。