「交渉アナリスト」名称の由来

「交渉アナリスト」名称の由来

「交渉アナリスト」という名称は、少し意味がわかりにくいものかもしれません。

アナリストというと、分析官のようなイメージがあるからです。

しかし、資格認定機関の特定非営利活動法人「日本交渉協会」によると、この「交渉アナリスト」という名称には相応の意味があるということで、下記でご紹介します。

ハーバード・ビジネススクール名誉教授の著書より

「Negotiation Analysis」という語は交渉学の中で1980年代から使われています。

ハワード・ライファ氏が2002年に出版された著書『Negotiation Analysis』、この書は交渉学の理論的支柱ともいえる名著ですが、「交渉アナリスト」はこのnegotiation analysisを基につけられた名称です。

交渉の達人(tough negotiator)ではない

「交渉アナリスト」は交渉理論を相当に学び、実際の交渉を理論的な目で分析し、実践できる人という意味でつけられた名称です。
そこで目的とするものは交渉の達人(tough negotiator)といわれるような交渉者ではありません。交渉にあたって相手方から何かをもぎ取ってくる交渉ではなく、交渉相手の真の関心事項をつかみ、交渉当事者の満足度を最大化する合意づくりができる交渉者なのです。

交渉学は政策科学の範疇に属している一分野でもあり、目的とするのは「話し合いによって問題を解決する」ところにあります。その話し合いをするにあたっては基盤として理論が求められます。

「理論なき実践は盲目であり、実践なき理論は空虚である」

この考えをもとに、「交渉アナリスト」の資格制度は作られているのです。

 

「交渉アナリスト」資格全般についてよくあるご質問

Q 交渉アナリストとはどんな資格ですか?

A 特定非営利活動法人「日本交渉協会」が認定する民間資格
交渉アナリスト」とは特定非営利活動法人「日本交渉協会」が認定する民間資格で、MBA レベルの交渉知識と交渉技術を身につけた実践者の育成を目的としています。

1級・補・2級・3級の4つの資格があります。

交渉アナリストには、交渉アナリストに必要な基礎知識・技術を習得した人に与えられる「交渉アナリスト3級」、交渉アナリストに必要な体系的知識を習得した人に与えられる「交渉アナリスト2級」、交渉アナリストに必要な基本的技術を習得した 人に与えられる「交渉アナリスト補」、交渉アナリストに必要な体系的知識と基本的技術及びそれらを正しく用いる考え方を習得した人に与えられる「交渉アナリスト1級」の4つの資格があります。

特定非営利活動法人「日本交渉協会」の理事長藤田忠氏は、ハーバード大学で交渉学を学び、日本の学問として交渉学を立ち上げ、ビジネス交渉力の教育普及を目的として「交渉アナリスト」を創設しました。

藤田忠氏にハーバード大学で交渉学を志す機会を与え、交渉アナリストのロールモデルとなっているのが、エドウィン・O・ライシャワー博士です。エドウィン・O・ライシャワー博士は、日本に生まれ、ハーバード大学の日本史研究者から駐日大使となり、「イーコール・パートナーシップ」の理念で、日本と米 国を協創関係に導き、日米関係の発展に寄与しました。

 

Q 「交渉アナリスト」の名前の由来は何ですか?

A 「交渉アナリスト」という名称は、少し意味がわかりにくいかもしれません。

アナリストというと、分析官のようなイメージがあるからです。

しかし、資格認定機関の特定非営利活動法人「日本交渉協会」によると、この「交渉アナリスト」という名称には、次のような意味があるということで、ここにご紹介します。

ハーバード・ビジネススクール名誉教授の著書より
「Negotiation Analysis」という語は交渉学の中で1980年代から使われています。

ハワード・ライファ氏が2002年に出版された著書『Negotiation Analysis』、この書は交渉学の理論的支柱ともいえる名著ですが、「交渉アナリスト」はこのnegotiation analysisを基につくられた名称です。

交渉の達人(tough negotiator)ではない
「交渉アナリスト」は交渉理論を相当に学び、実際の交渉を理論的な目で分析し、実践できる人という意味で名づけられたものです。

そこで、目的とするものは交渉の達人(tough negotiator)といわれる交渉者ではありません。つまり、交渉にあたって相手方から何かをもぎ取ってくる交渉ではなく、交渉相手の真の関心事項をつかみ、交渉当事者の満足度を最大化する合意形成を目指しているのです。

交渉学は政策科学の範疇に属している一分野でもあり、目的とするのは「話し合いによって問題を解決する」ところにあります。その話し合いをするにあたり、基盤として理論が求められます。

「理論なき実践は盲目であり、実践なき理論は空虚である」

この考えをもとに、「交渉アナリスト」の資格制度は作られているのです。

 


Q 資格認定機関はどこですか?

A 「交渉アナリスト」の資格認定は、特定非営利活動法人 日本交渉協会が行っています。
特定非営利活動法人 日本交渉協会は、交渉学をビジネスに活かし、日本の交渉力の向上の基盤となる人材を育成する目的で発足した協会です。

詳しくは、公式サイトをごらんください。

 特定非営利活動法人 日本交渉協会 公式サイト

また、「交渉アナリスト」資格取得プログラムの運営・販売につきましては、株式会社トランスエージェントが行っております。

 

Q 「交渉学」とはどんな学問ですか?

A 米国ビジネススクールで人気の講座「交渉学」
交渉は大型取引や紛争解決のための特殊技能という域を脱し、ビジネスリテラシーの一つとして定着しつつあり、米国ビジネススクールにおいて、交渉学講座は選択科目として常に人気があり、その重要性も高く認識されています。

「交渉学」の2大研究拠点 ハーバード大学とノースウェスタン大学


交渉学研究は米国の各大学で行われていますが、特にハーバード大学ロースクールにあるProgram On Negotiation(PON)とノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にあるDispute Resolution Research Center(DRRC)が現在の2大研究拠点となっているようです。

PON~Program On Negotiation~とは?
Program On Negotiation(PON)はハーバード大学・MIT・タフツ大学から人材を集め、1983年にハーバード・ロースクール内に創設された、世界で初めての交渉と紛争解決を専門とする教育研究機関です。ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリ、ブルース・バットン先生らが、1979年にHarvard Negotiation Project(HNP)を手がけ、その後フィッシャーがジェームズ・セベニウス、ローレンス・サスキンド、フランク・サンダー、ハワード・ライファ先生らの協力を得ることにより、PONを創り上げました。現在の座長はロバート・ムヌーキン先生(ハーバード・ロースクール教授)です。

日本語翻訳されている主な交渉学の本
主な交渉学の本一覧へ

 

Q 「ハーバード流交渉術」を学びたいのですが?

A 交渉術というと「ハーバード流交渉術」が有名ですが、「ハーバード流交渉術」とは、三笠書房の出版物の本のタイトルであり、原書は、『Getting to Yes』というフィッシャーとユーリーが書いた著書です。

著書の中で紹介されている交渉技法は、原則立脚型交渉というものになります。

この本の中では人と交渉事項を分けて扱うことやBATNAの概念といった、交渉学の中核となる理論が紹介されており、交渉学の礎となる歴史的な著書であることは間違いありません。

しかし、以後、交渉学もさらなる発展を遂げ、ビジネス交渉にさらに有効な理論と技法が多数研究されています。

詳細は(「交渉学」とは?)をご覧ください。

交渉アナリストでは、原則立脚型交渉だけでなく他の有効な交渉理論も含め体系的に学んでいただける内容になっています。

 

Q 仕事で毎日「交渉」しています。改めて学ぶ意味はあるでしょうか?

A 交渉経験が多い人ほど、交渉に関する考え方やテクニックに自信とプライドを持っていることでしょう。しかし、経験だけでは学べないものを身につけることができるのが、「交渉アナリスト」資格取得プログラムです。
例えば「走る」ことを考えてみてください。速く走ることができる人はたくさんいます。しかし、その中でも、本当に走ることを極めようとする陸上アスリートは、走りを科学的にアプローチします。身体や筋肉のもっとも効果的な使い方を、自分の能力を100%に近づけるため、さらには120%の力を発揮できるようにするためには、科学的な分析と仮説検証プロセスなど多角的視点が必要となるのです。

交渉も同じです。本当にタフな交渉を成功させる一流の交渉者になるには、学問として体系化した交渉学を学ぶことが、最も交渉力の向上に役立つ効果的な方法なのです。

 

Q これまで交渉の勉強をしたことがありません。学習内容についていけるか心配です

A 公式テキストは、広く一般の方を対象にできるだけわかりやすく作っています。特別な人にしかわからないものではありません。ただ、実際の交渉では幅広い知識を持っていた方が有利になるため、テキストにはMBAレベルの最新の交渉理論の内容も含んでいます。テキストを読み進める途中、わからない部分が出てくる場合もあるかもしれませんが、その場合は、質問票をご利用ください。

受講生の中には、主婦や学生の方などビジネス交渉の現場を経験したことがない方もたくさんいらっしゃいますが、知識課程(2級)に無事合格されています。子どもとお小遣いの額を決めたり、次の休日どこに行くかを家族で決めたり、就職やアルバイトの面接をしたり、家電販売店で割引を頼んだり、実は、毎日の生活の中で、皆さんはしらずしらず、交渉をしているのです。

ですから、意識することで交渉を実感しながら理解することができ、学んだそばから実生活で実践してみることができるので、楽しみながら勉強を進めることができるでしょう。

交渉において、まず大切なのは、交渉の多様な考え方を知っていただくことです。交渉の知識は、知っているだけでも相手の手口が読めることで、自分の身を守り役に立ちます。知ることを楽しむ気持ちで臨んでいただければと思います。 また、知識課程の添削レポートの出題内容は基本的に公式テキストの内容に沿っています。熟読すれば答えられる内容ですので、安心してお取り組みください。

技術課程については、ビジネス交渉のケーススタディをグループ討議で行っていきますので、ビジネス経験が少ない方は、知識課程を学んだ後に受講されることをお勧めします。

 

Q エドウィン・O・ライシャワー博士とは?

A 昨年、生誕100周年を迎えたライシャワー博士
2010年10月15日に「ライシャワー先生生誕百周年記念祝賀会」がホテルオークラで行われ、元駐米大使の大河原良雄氏、文化勲章受章者ドナルド・キーン氏ら日米の関係者約300名が集まりました。主催者は、「ライシャワー先生を愛する会」代表で、「交渉アナリスト」資格認定機関、特定非営利活動法人日本交渉協会理事長でもある藤田忠氏です。

日本で生まれ、ハーバード大学教授を経て駐日米国大使に
エドウィン・O・ライシャワー博士(1910~90年)は、父が宣教師として滞在していた日本で生まれ、東洋史研究家の第一人者として1950年に米ハーバード大学教授となり、1956年から63年までハーバード燕京研究所所長として教壇に立ち、1961年から66年まで駐日米国大使も務めました。

日米融和の時代の礎を築く
大使在職中は戦勝国と敗戦国という両国の複雑なメンタリティを「イーコール パートナーシップ」という理念で、対等な関係へと変質させることに特に腐心し、今日の日米融和の時代の礎を築きました。

こうした功績から、ライシャワー博士が設立したハーバード大学の日本研究所は彼の名を冠して『ハーバード大学ライシャワー日本研究所』と改称され、今も日本理解のための研究が続けられています。

ライシャワー博士と藤田忠氏の関係
「交渉アナリスト」資格を創設した藤田忠氏は、ライシャワー博士の招聘によりハーバード燕京研究所の研究員となり、ハーバード大学で交渉学に出会いました。ライシャワー博士は、「交渉アナリスト」資格誕生のきっかけを作ってくださった方であると同時に、数々の日米間の難題を、統合型交渉で解決してきた彼の実績は、交渉アナリストのロールモデルでもあります。

ライシャワー博士に関する出版物

『ライシャワーの日本史 (講談社学術文庫)』
ジョージ・R・パッカード(著), 森山 尚美(翻訳)
単行本: 552ページ
出版社: 講談社 (2009/11/17)
言語 日本語
ISBN-10: 4062151952
ISBN-13: 978-4062151955


『ライシャワー自伝』
エドウィン・O. ライシャワー(著), 徳岡 孝夫 (翻訳)
単行本: 530ページ
出版社: 文藝春秋 (1987/09)
ISBN-10: 4163417400
ISBN-13: 978-4163417400


『ザ・ジャパニーズ―日本人 (1979年)』
エドウィン・O.ライシャワー (著), 国弘 正雄 (翻訳)
出版社: 文藝春秋 (1979/06)
ISBN-10: B000J8GOY4